連載企画
【ボールのないサッカーのはなし #2】グラウンドに着くまでの時間は、誰が使っているのか
皆さま、こんばんは。
カシマアカデミー代表の川上翔太です。
前回、練習場所は誰がつくっているのかを書きました。その中で「ご家庭では、練習に間に合うように一日の予定を組み、送り出してくださっています」と、一行だけ触れました。今回は、そこを書きます。
選手がグラウンドに着くと、その日が始まった気がします。
でも、その一日は、もっと前から動いています。
学校がある。宿題がある。ごはんを食べる。練習着を出す。持ち物を入れる。何時に出るかを決める。どなたかが送る。
これが毎日同じなら、まだ楽かもしれません。実際は、日によって変わります。
学校の終わる時間が違う。天気で会場が変わる。持ち物が増える。ごきょうだいの予定と重なる。仕事の都合がつく日と、つかない日がある。その都度、ご家庭で組み直していただいています。
誰がやるかも、日によって違います。用意する方と送る方が、同じとは限りません。間に合いそうにない日は、どこかを削っています。
練習が終わっても続きます。お家に帰って、食べて、洗って、明日の支度をする。私たちが見ている一時間の前にも、あとにも、時間があります。
この時間は、誰にも見られていません。
学校は見ていません。選手本人も、たぶんあまり覚えていません。私たちも見ていません。写真も残りませんし、記録もつきません。うまくいった日も、誰も何も言いません。
私たちが会うのは、それが全部終わったあとです。練習の一時間だけを見て、「今日はこうでした」と話します。私も話します。それは、その日の一部です。全部ではありません。
見えない時間を、見にいくことはできません。ご家庭のことですし、踏み込む話でもありません。
それでも、できることは二つあると思っています。
一つは、こちらの連絡です。予定はできるだけ早くお伝えする。決まっていないことは、決まっていないとお伝えする。直前の変更を減らす。私たちが出す連絡ひとつで、ご家庭の一日の組み方が変わります。ここは、まだ十分ではありません。
もう一つは、忘れないことです。グラウンドで選手を迎えるとき、そこに着くまでの時間があったことを覚えておく。
見ていないので、お礼の言いようがありません。それでも、あることは知っています。それをお伝えしたくて、今回を書きました。
ボールが動き出す前から、その日のサッカーは始まっています。
この問いを、一緒に考える仲間へ
見えていない時間の上に、私たちの練習は始まります。
カシマアカデミーでは、子どもたちと地域のこれからを一緒につくる仲間を探しています。完成した答えを持っている必要はありません。私たちが大切にしていることに少しでも重なるものがあれば、まずは気軽にお声がけください。
同じ問いを持つ仲間と、明日も次の一歩に挑戦します。
文責川上翔太
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